• TUNERS(チューナーズ)は車のカスタム,改造車,ドレスアップを中心とした専門WEBマガジンです。カーライフに関わる情報を随時更新しています。
  • logo
  • logo
  1. ホーム >
  2. 車種カテゴリー > Gクラス >
  3. 【Gクラスの軌跡】デルンブルク・ヴァーゲンから歴史は始まる

【Gクラスの軌跡】デルンブルク・ヴァーゲンから歴史は始まる

1990~
プレミアムSUVと呼ぶに相応しい豪華なインテリアが設えられるようになった

1990年、460シリーズと併売される形で販売がスタートされたW463。シャーシーが大幅に改良され、アンチロックブレーキ、フロント・センター・リアの各デフロック、フルタイム4WDシステムなどが搭載された他、ウッド仕上げのアクセントやレザーシートトリムが採用されるなど、インテリアも全体的なアップグレードが図られている。そして、同時にモデル名がG-CLASSへと変更され、プレミアムSUVと呼ばれるに相応しい存在にグッと近づいたのだ。



Gクラス生産開始から10年、メルセデス・ベンツは思い切って営業用車両と、プライベートなオフロードセダンを別路線と考え、Gモデルを格調高いものへと昇華させることを決意する。1989年9月に行なわれたフランクフルトのモーターショーにおいて、クロスカントリービークルの誕生から10周年を迎えた230GEの記念限定モデル「Classic」、300のサンプルを発表すると、すぐさま大きな反響があった。中でも高級車と同格のインテリアは、特別に目をひいた。

1990年、W463シリーズが登場。フルタイム4WD方式を採用。新型3.0ℓ直列6気筒エンジン。エクステリアもフロントグリルのデザインを変更し、乗り込みやすいようにサイドステップを追加した。インテリアも豪華なものに。W460シリーズの生産は続けられたが、段階を経て終了へ。

1992年、W463シリーズがマイナーチェンジ。ステンレス製スペアタイヤカバー、サイドステップ、クルーズコントロールなどのオプションが設定された。また、業務用モデルW461シリーズを発表(※2)。Gモデルは1993年から公式にGクラスとしてデザイン。同年春には、ちょっとしたセンセーションを巻き起こす。特別仕様車500GEを限定500台で発売。W126型Sクラスと共通の5.0ℓ V型8気筒SOHCエンジンは、チューニングのスペシャリストであるAMGと共同開発したもの。贅を尽くした内装はメルセデス・ベンツの上級クラスセダンを思わせるもので、本革シート、ウッドのシフトレバーなど、後部座席も特別にしつらえたもので、ボディカラーは特別色を用意した。Gクラスの歴史の中でも爆発的なヒットを放ったモデルである。

1997年にはグレード展開が見直され、2.9ℓのV6ターボディーゼルエンジンをG320に搭載、そしてV8エンジンを搭載したG500がカタログモデルとして復活を果たしている。W460の時代からエクステリアのデザインは大きな変更を受けずクラシカルなスタイルを貫いているものの、W463となったG-CLASSは、1990年台に大きな進歩を遂げている。そして富裕層のおメガネにかなって受け入れられたG-CLASSは、一気にプレミアムSUVの仲間入りを果たし、数あるライバルを押しのけながらトップに君臨することとなったのだ。バブル期と重なった日本では、お金持ちが選ぶSUV=G-CLASSという方程式がしっかりと定着。不況と言われた過去数年でもG-CLASSは安定した販売台数をキープしていたという。

また、W463は初めて北米へ輸出されたモデルでもある。W460の時代もいわゆる並行輸入でインポーターが北米に販売していたようだが、2002年にはG55 AMGを北米のメルセデス・ベンツのディーラーが販売していた。

W463には、ショートホイールベースの2ドアボディにコンバーチブルとワゴン、ロングホイールベースの4ドアボディにステーションワゴンという3タイプのボディを設定。エンジンはガソリンモデルが5.0ℓ V8に始まり、5.4ℓスーパーチャージドV8、5.5ℓツインターボV8、6.0ℓツインターボV12といったようにハイパフォーマンスエンジンが続々と登場してきた。ディーゼルでは2.9ℓ V6、4ℓ V8の2モデルがカタログモデルとして存在する。これらに組み合わせていたミッションは、4速ATから5速ATへとアップグレードされ、現行車には7速ATが搭載されている。

2009年には誕生から30周年を記念して、マイナーチェンジを行なった。G400 CDIがオフローダーの象徴として、2012年当時の頂点であったが、2つの新しいエンジンにより強化され、ハイクラスのクロスカントリービークルと呼ぶにふさわしいまでに成長した。5.5ℓ V8エンジンは544hp、G65 AMGが採用したV12エンジンは612hpという信じられないほどのパワーを叩き出している。1000Nmのトルクは、列車を引っ張ることができるほどだ。ちなみに、高速道路では、230㎞/hまで加速するのに5.3秒しかかからない。

2013年、グレード名をレギュラーモデルがG550に、AMGモデルが、G63 AMG/G65 に変更。2014年には、6輪モデルの特別仕様車G63 AMG 6×6を日本向けに発売することを発表。2014年8月末までの限定5台の販売であり、その性能、仕様の豪華さやスケールの大きさが、話題を呼んだ。9月には、「G63 AMG35th Anniversary Edition」「G350 Blue TecAnniversary Edition」の2モデルが、やはり日本向け特別仕様車として、限定販売することを発表している。

2017年5月、G63をベースにした特別仕様車「G63 50thアニバーサリーエディション」が限定50台で販売される。同年6月、G63に右ハンドル仕様が設定された。

2018年、遂にフルモデルチェンジと言っても過言ではない、変化が与えられた新型Gクラスが発表される。

※2
軍用として使われた461シリーズは、国連の平和活動や人道主義的な援助隊として、世界の危険な辺境地に最も多く同行した車両と言われている。

 

Gクラスパーフェクトブック VOL.03
ぶんか社



関連する記事