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往年の名車 デ・トマソ パンテーラ 色褪せない歴史がここに

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72年製 デ・トマソ パンテーラといえば、デ・トマソが発表した3作目のスーパーカーだ。

この前にはヴァレルンガ1500・マングスタという2名車が存在するが、デ・トマソといえば「パンテーラ」といわれるほどの販売台数2,700台を誇っている。

 

今回見つけたパンテーラは、パッと見では私にも判断がつかない状態だったが、どうやらちょうど72年から追加されているデ・トマソ パンテーラLのようだ。

パンテーラの初期モデルは「アーリー」「レイト」の2系統に分かれているのだが、そのどちらにも適合しない。

かといって、その後追加されているLともボディ形状やエンジンプロファイルがどうにも適合しないのだ。

 

それもそのはず、このパンテーラはエンジン自体が全てスワップされている。

鋳鉄製エンジンのはずのフォード5.8L 水冷V8OHVエンジンが、見事にアルミシリンダーにアルミヘッドに換装されている。

ましてや、エキゾーストマニホールドの位置が車内に取り回されている。

通常腹下に設定されているエキゾーストラインは、排気効率を考えてラインチェンジされている。

 

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オーナーの「FX」氏はホイールを製造販売している生粋の自動車フリークだ。

アメリカから直接買い付けたこのパンテーラは、既に19年所有し続けているという。

RAUH WELTにて手を入れているということで、とにかく仕上がりのクオリティが高い。

カスタムではなく「チューンナップ」というべきだろう。

まだまだ解明していく部分が多そうだ。

 

 

 

歴史感じる深みあるボディ 40年の時を超えて尚輝く

 

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新車では絶対に纏えないオーラがある。

時を重ね、時代を超えて、ようやく纏うことができる味わいが存在するのだ。

 

パンテーラの場合、モノコックボディのヤレが激しいのは当然なのだ。

スタート時点での作りが甘いのもあるが、イタリアとアメリカの間の子ということで、両方の旨味もありつつ悪い部分も共有してしまっている。

 

パンテーラの悪い部分は「ハリボテ」ということになる。

イタリア者特有の現象だ。

フェラーリにしろランボルギーニにしろ、スーパーカーと呼ばれる自動車はボディが緩い。

フレームは太いパイプフレームを有している割に、パッと鉄板を装着させているだけなのだ。

 

FX氏のパンテーラもそこから外れてはいない。

端々にクラックや歪みが確認できる。

だが、このパンテーラが酷いという事はない。

かなり程度はよく見える。

40年の時を経てこのレベルということはとても優秀な管理をされているということだ。

 

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ワンオフのリップやサイドステップは、後継機のGT4に近いだろうか。

エンジンフードやボンネットのダクトも、72年製ノーマルパンテーラには採用されていないはずだ。

 

リンカーンの純正色からバーガンディをチョイスしている前オーナーは、なんとアメリカの飛行機乗り。

フロントフェンダーに引かれたピンストライプは、前オーナーの知り合いの消防士の手によるものが元ネタとなっている。

ボディワークの際にサイド引き直しているほどに、FX氏はここに愛着を持っているそうだ。

 

フェンダーも若干引き出されている。

パンテーラGTSなどはボルトオンのオーバーフェンダーが用意されているが、パンテーラLにはそれがない。

いや、仮に用意されていてもナローボディの方が剛性的にも有利だ。

これだけ引き出してあれば、20mm程度のワイド化は可能だろう。

 

ボディの緩みを理解した設置面積の増加によるダメージ分散。

自動車を理解している仕事だ。

 

細かなリフレッシュを丁寧に行えば、劣化速度を確実にスピードダウンできるだろう。

それにしても、40年も経過している自動車にはとても思えない良い状態だ。

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鋳鉄エンジンからアルミエンジンへとスワップの効果

 

鋳鉄は重い。

これは誰しも理解できる事実だ。

「それであれば全てアルミで作れば良いじゃないか」と考えるのはものすごく乱暴なことで、コスト削減や耐用年数などを細かく見ていくと鋳鉄は素晴らしいマテリアルであることがわかるのだ。

 

私自身、鋳鉄ブロックに絶大の信頼を寄せている。

アルミブロックではギリギリのラインでのチューニングができないのだ。

ボアを広げ、それに見合うよう圧縮比を上げる。

文字であればなんて事ない作業に思えるが、感覚を上げるために指の皮をカミソリで削いでいるのと同じ事なのだ。

ほんの0.001mmのミスで破綻してしまうのがチューニングの怖さだ。

その瞬間全てが終わってしまう。

アルミブロックであれば再生は不可能だ。

 

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だが、鋳鉄ブロックは少し違う。

1度ブローさせれば確かに「ブロー癖」がつく。

だが、クラックが入らない限り鋳鉄ブロックは再生可能なのだ。

シリンダーに癖がついたなら、表面をさらってしまえば良い。

広がった分大口径ピストンに変更したり、ハイコンプレッションのピストンリングに変更すれば済む話なのだ。

 

だが、このパンテーラはシリンダーブロックのみならず、シリンダーヘッドまでもアルミ化されている。

200マイルオーバーのために犠牲にしたキャパシティ。

ここの軽量化だけでも60kgは軽くなっているだろう。

エキゾーストラインを高くするメリットはないが、単純にエキゾーストラインを短くするにはこのラインしかないだろう。

トルク特性としては上寄りになるはずだ。

 

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200マイルという大台に当てるためには、レッドゾーンに足を踏み入れなければならない。

FX氏がこのパンテーラに期待する200マイル。

どれだけのキャパシティを残せるのか、RAUH WELTの見据える先が気になるところだ。

 

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72年製パンテーラ 今も尚 現役の貫禄

 

40年も前のスーパーカーに、200マイルを期待するのは正直酷な事だ。

だが、決して不可能なことではない。

いや、あえてそれを期待することで生き続けられるともいえるだろう。

 

スタイル的にも不利な旧世代のスーパーカー。

性能も当然現行車に劣る。

ましてやキャブレター車だ。

日々のコンディションに左右される燃調すらまともではない。

 

だからこそ、オーナーのFX氏の愛情が感じられるのだろう。

手がかかる子ほど可愛い。

そんなパンテーラが200マイルで滑走する日を楽しみにしていよう。

 

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TEXT : NONO

PHOTOS  : TUNERS

 

 



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