SUVや軽自動車など様々なクルマで楽しめるオートキャンプだが、大自然の中でゆったりと楽しむのなら、ゆとりの空間とパワフルなエンジンを持つアメリカン・フルサイズバンが一番! オートキャンプの達人が選んだ車両とその楽しみ方に迫る。
アメリカン・フルサイズバンで楽しむ豊かなクルマ旅
Seizon Miyashige & Ford E-350 Econoline Dolly Varden
キャンピングカーとひと口に言っても様々なタイプがあるが、アメリカン・フルサイズバンをベースに作られたものとしてはクラスBとクラスCが挙げられる。より本格的で快適なオートキャンプを目指すなら、キャブコンバージョンタイプのクラスCがオススメだ。
ここで紹介するのは、クラスCの中でも23フィートの大型モデル。アメリカではキャンピングカーというよりもモーターホームという呼び名がポピュラーなのだが、これはまさにそう呼ぶに相応しいモデルである。
現車はフォード・E350エコノラインをベースにした、ドリー・バーデンと呼ばれるモデルの98年型。搭載エンジンは6800cc V10でパワーは申し分ない上に意外にも燃費も悪くなく、使い方にもよるがロングドライブならリッター6~7kmくらいだという。
装備はボイラーにFFヒーター、ベッドはメインのベッドルームに加えてバンクベッド、さらにはリビングのソファもベッドに早変わりする。その他にも冷蔵庫に本格的なキッチン、電子レンジ、そしてシャワーにトイレ等も完備。米国オナン製ジェネレーターを搭載しているので外部電源が供給されない大自然のど真ん中でも発電し、照明やエアコンも使用することができるまさに最強の仕様といえるだろう。
そんな23フィート・ドリーバーデンを相棒にしているのは、オートキャンプの達人である宮重正存さん。達人ならではのスタイル、そしてこのダイナミックなアメリカン・モーターホームでなければ味わえない醍醐味を、誌面から少しでも感じ取ってもらいたい。
このゆとり、クラスCならでは!
キャビンのすぐ後方はゆったりとしたリビングルーム。クラスCは日本流にいうとキャブコンだが、オリジナルのボディより幅がよりワイドに作られているため、この余裕が生まれる。運転席の頭上にバンクベットが設けられるのが、クラスCのセオリー。オーナーの趣味であるナバホの織物がふんだんに採用され、独特の居住空間を作り上げている。
電源がないところでも安心!
米国オナン製のジェネレーター。オートキャンプの専用施設では外部電源から100Vが供給されるが、電源のない湖畔や海辺、山中などではこれが威力を発揮する。
充実のアメニティを備える。
独立したメインのベッドルームは、クラスCならではの贅沢な仕様。クローゼットも豊富に備わり、抜群の収納力を誇る。そして、洗面所にバス&トイレと、まさにホーターホームと呼ぶに相応しいアメニティを備える。
キャンプの達人は、料理の達人。
料理の達人でもある宮重氏にとって、2口コンロにシンクにレンジに換気扇などが完備する本格的なキッチンも重要なアイテム。もちろん食材を収納する冷蔵庫も装備!
天気の良い日はオープンエアで!
天気の良い日はボディサイドからオーニングを出して、その下にリビングスペースを設営。オープンエアで食事を楽しんだりコーヒーを飲んだり仲間と語り合ったり、ゆったりと大自然を満喫しているという。
アメリカンな肉料理に舌鼓!
オートキャンプに料理はつきものだが、宮重氏のそれは特筆すべき絶品! この日のメニューはサルサソースと野菜たっぷりのハンバーガー、スパイシーチキン、そしてアメリカンソースで食べるリブロースとご馳走三昧だった。
23ftキャンパーばりのスケールで豪快にアウトドアを楽しむ達人
オーナーの宮重正存さんはこのドリー・バーデン23ftの他にクラスBのダッジ・ロードトレック19ftも所有し、目的によって使い分けている。氏のキャンプの特徴は一箇所に長く滞在するスタイルで、琵琶湖畔にクルマいっぱいの薪を持ち込んで2週間のキャンプ生活を楽しむことも。
Photo & Text:Kaz Yoshioka
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