取材協力:ラガーコーポレーション
TEL:048-845-0808 URL:http://www.lager.co.jp
最新型Gクラス(W465)は、外観や装備だけでなく骨格となるフレームの構造も進化している。これに対応して、MCBも本体のロッドの長さを変更し取り付けブラケットは新たにW465専用のものが開発された。
乗り心地が良くなったと言われるW465でMCB(モーション・コントロール・ビーム)を検証する
W463Aからさらに進化したW465は、そのままでも不満のない高次元の走りを実現している。しかし、2.5トンを超える車重とGクラス特有の車高、悪路走破を重視したフレームと足回りは、舗装路や高速走行時には不利である。MCB(モーション・コントロール・ビーム)は、それを改善できるアイテムだ。
例えば、カーブの途中に小さな段差や路面のうねりを通過すると、どんなクルマでも安定が乱される。大きく重いGクラスは車体が再び安定を取り戻すのに一瞬の遅れがあり、ドライバーや乗員の乗車位置が高いため不安感につながってしまう。MCBは横揺れを早く収束させ、カーブでの安心感を高めてくれる。乗り心地の面では、Gクラスの大きなホイールとタイヤによるバネ下重量の不利がある。20インチ等の大径ホイールと扁平タイヤを装着した場合、条件はさらに厳しくなる。2018年式以降のGクラスは前輪に独立懸架式サスペンションを採用しているが、MCBを装着することでフレームの振動が吸収され、優れたサスがそのポテンシャルを最大限に発揮できるようになるため、乗り心地も改善するのだ。
今回、W465専用に新開発されたMCBの最終試作に密着取材し、発売前のMCBを「未装着→装着」で乗り比べるという貴重な機会を得た。まず驚いたのは、W465のフレーム自体がW463Aと異なっていたことだ。トランスミッションの全長が伸びてセンタートランスファーの搭載位置が後退し、フレームの左右を連結する個所も後退している。MCBの装着は新フレームに対応し、MCB本体のロッドが長くなり、取付ブラケットは強度をさらに増すよう新設計された。新フレームに最適なセッティングが施されている。
実際に乗ると、コーナリング中のギャップに対する揺れの収束が明らかに良くなっている。MCBは内部のスプリングがフレームの変形を抑え、ダンパーが収束を早める構造で、フラットな車両姿勢を保って走る感覚が味わえる。ドライバーは操縦性の向上を、助手席と後席の乗員は乗り心地の改善を体感できる。Gクラスならではのどっしりとした走り味にさらに鉄壁の安定感を求める人はぜひ試してほしい。
車両のフレームが進化したフロントは、MCBの装着構造を全面的に新設計している。リア部分はW463AとW465で車両のフレームが概ね共通で、MCBの装着構造も共通だ。
MCBはアイシンが開発したボディの変形を抑えるフリクションダンパー。揺れを抑制するだけでなく、振動を吸収することで車両本来の性能を引き出す。
アイシンによる実走行の段差乗り越えテスト。段差乗り越え後の左右振動のピークが抑制され、収束が早まっていることが計測データで明確に読み取れる。
W463A & W463用のMCBもラインナップ!
従来型Gクラス(W463A )、それ以前のGクラス(W463 )向けにそれぞれラインナップ済みのMCB。確かな効果で高評価と気を誇っている。MCBは車両本来の性能を発揮させるので、大きく進化したW465でもMCBの明確な効果が確認できた。専用のラインナップは、各世代のGクラスのポテンシャルを余すところなく引き出してくれる。
今回取材に協力してもらったのが、神奈川県横浜市にあるマニアックス・スタジアム。フォルクスワーゲンやアウディなどのドイツ車を得意するプロショップである。カスタマイズからメンテナンスまで幅広く対応してくれるので、ドイツ車で困ったことがあったら相談してみよう。
取材協力 maniacs STADIUM
所在地:神奈川県横浜市都筑区川向町855-1
TEL:045-620-6766
Text:犬塚 直樹/編集部
Photo:犬塚 直樹