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クラシック・モデルはレストモッド全盛
SEMA SHOW REVIEW #05
クラシック・モデルをレストアすると同時にモダンにモディファイするのがレストモッド。以前から存在するハイテック・カスタムとの境界は曖昧ながらも、SEMAショーの会場に居並ぶレストモッドたちの多くは当初のカスタム・イメージを実現するためにシャシーの段階から新たに製作されたもの。
結果的にインテリアもエクステリアも、それこそボルト1本まで美しく、新車のように仕上げられるが、そこに費やされるコストも莫大なものとなり、もはや製作費が20万ドル、30万ドルと聞いても驚きはない。ある意味突き詰められた感もあるが、こんなマーケットが成立するのも、その価値が広く認められており、そこに資金を投ずるCAR GUYが多数存在するからに他ならない。
このあたりがアメリカン・カー・カルチャーの懐の深さであり、こうした背景があるからこそ次々とビルダーたちが台頭し、存分に腕とアイデアを競い合うことができるのである。
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GENERAL MOTORS
時代的にレトロ感と未来感がフィットすることもあってか、C1やC2のレストモッドは年々増えつつあるようだ。ホワイトの61年型コルベットは極めてソリッドな仕上がりで目を惹いた1台。シャシーはアートモリソン製で、C6のフロントサスを採用。エンジンは430hpのLS3。HREのカスタムホイールは、フロントが9.5J、リアが10.5J。こうしたC1やC2に対して、C3はあくまで性能を重視したHot Rodの王道を行くカスタム& チューニングが目立った。
シェビーC10 の人気が上昇中?
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GENERAL MOTORS
カマロ、インパラ、ベルエア、ノバなど、シボレーの定番的なクラシックモデルの人気は相変わらず。そんな中、2015年のSEMA会場でやけに目立ったのがシボレーC10ピックアップ。角型縦目4灯もあれば丸目2灯もアリと、年式を問わず人気を集めていた。カスタムベースとしてはすでに定番的なモデルと言えるC10だが、ここにきて特に若いビルダーたちからの注目が上がってきているように感じた。
このほか、珍しいところでは下のエンジンフードを開いた赤いクルマ。一瞬ノバのように思えるが、実はこれはノバのカナダ仕様であり、正式名称は67年型ポンテアック・アカディアンとなる。その大多数のモデルがエンジンを換装していたが、シボレーのLS3 やLS7 などのクレートモーターとTremecT56 6 速マニュアルという組み合わせが最も多く見受けられた。
初代マスタングは、永遠の愛されキャラ。
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MOPAR & AMC
MOPAR マッスルたちの存在感は2015年も健在。レストモッドも少なくなかったが、MOPARらしくオリジナル色の強い仕上げも多かった。また、2015年はAMCのジャベリンも存在感を放ち、トリコロールのトランザムレースカー以外にも73年型ベースのドラッグレース仕様のジャベリンが姿を見せた。
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FOMOCO
そんな中、GM車を含めて人気を見せつけたのが初代フォード・マスタング。美しいレストモッドとして、より走行性能を高めたプロツーリングとして、64 ~ 73年型まで満遍なく人気を集めるなど、アメリカ人のマスタング愛は相変わらず。この愛されキャラぶりは今後も変わることはないだろう。
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RODDER
Rodderはレストモッドとは異なるものだが、スペースの関係でここに掲載。SEMA会場で伝統的なホットロッドは減少傾向にあるとはいえ、やはり欠くことのできない存在である。
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