TOYOTA LAND CRUISER PRADO [200 SERIES]
威風堂々 ”四駆”インパクト
RV界の王道。
堅牢なシャシーと足回りで抜群の悪路走破性を誇るランクルは世界中から愛される、日本を代表するクロカン4WDだ。その弟分にあたるのがランドクルーザープラド。高級感や快適性も兼ね備えた本格4WDモデルである。
初代の誕生から60年以上という、日本でも最長クラスの歴史を持つモデル、ランドクルーザー。ランクルという愛称で呼ばれる同モデルは、現在では170を超える国や地域で発売されており、頑強かつ抜群の耐久性ゆえに、砂漠や地下鉱山といったきわめて厳しい環境でも愛されている本格4WDモデルだ。
そんなランクルシリーズの派生モデルとして誕生したのがランドクルーザー プラド。いわゆる弟分というポジションのモデルだが、ボディ構造は兄貴分と同様に、堅牢なハシゴ状のフレームにボディをマウントしたラダーフレーム構造を採用しているのが特徴だ。近年の一般的な4WDモデルでは、乗用車同様のモノコック構造が増えているが、シンプルで頑丈なラダーフレーム構造は、より高いレベルの強度や剛性、耐久性を達成しやすく、加えて路面からの衝撃やダメージがボディに伝わりにくいという特徴を備えているなど、未舗装路や悪路で激しい振動を受け続ける環境が多い場所では、モノコック構造以上に適した構造と言える。ジープ・ラングラーや、スズキ・ジムニーがこの構造を採用しているのも、同様の理由によるものだ。
駆動方式には、後輪駆動をベースとする4WDシステムを採用し、オフロード走行での走りを支援するシステム「マルチテレインセレクト」も搭載。各種路面状況に対応する5種類のモードが用意され、選択したモードごとにエンジンスロットル特性やアクティブトラクションコントロールのブレーキ油圧を最適制御してくれる。
こうした兄貴分譲りの悪路走破性だけでなく、オンロードでの乗り心地が高いこともランドクルーザー プラドの特徴だ。より洗練された内外装デザインも与えられ、快適装備も充実、シティ派ユーザーからの支持も高い。5人乗りモデルの他、7人乗り3列シートのパッケージングもラインナップされており、足元が低床化されたサードシートは、大人が座ってもゆとりがある。
2017年のマイナーチェンジでは、全車に衝突回避支援パッケージ「トヨタセーフティセンス」を全車に標準搭載。他車や歩行者との衝突を可能な限り回避するプリクラッシュセーフティシステムをはじめ、ブレーキ制御付きのレーダークルーズコントロール、車線逸脱警告、オートマチックハイビームを装備するなど、安全性能が一段と向上しているのも見逃せないポイントだ。
質感の高さと優れた機能性が特徴のインテリア。前席には、夏のドライブが爽やかになるシートベンチレーション機能や、寒い日も快適な快適温熱シートを採用。
セカンドシートは135㎜のスライド機構を備え、足元にも十分なゆとりが。リクライニング機構と合わせ、座面を跳ね上げて背もたれを前に倒せば、広大なラゲッジルームとして利用可能。多彩なシートアレンジで、積載能力はさらにアップ。
スイッチひとつで格納できる電動式のフロア収納サードシートを装備(グレード別設定)。収納後はフロアがフラットになるため、空間を無駄なく使え、荷物の積みおろしも容易だ。
ランドクルーザーシリーズのずば抜けた強さと耐久性は、ラダーフレームが支える車体構造があるからこそ。ハシゴ状のフレームはボディの約3倍もの厚みの鋼板で組まれている。
衝突回避支援パッケージ「トヨタセーフティセンス」を標準装備。ミリ波レーダーと単眼カメラを併用した検知センサーでクルマも歩行者も認識。速度域の高い状況にも対応。
TOYOTA LAND CRUISER PRADO[200 SERIES]
Roots of PRADO
卓越した悪路走破性や、堅牢なボディなど、信頼性の高さで世界中から高い評価を受け続けているランドクルーザープラド。歴代モデルを改めて見てみると、クロカン4WDならではの「強さ」というDNAを守りながらも、時代に合わせた変遷を遂げてきたことがわかる。
1985 LAND CRUISER 70 SERIES [WAGON]
1987年型 ワゴンSX5
貨物登録のバンが中心だったランクルシリーズに初の5ナンバー乗用登録車として登場。プラドの名は冠されていないが、その源流となったワゴンモデル。ゆったりとしたリアシートなど、快適性の高さも特徴だった。
1990 LAND CRUISER 70 PRADO SERIES
1990年型 EX5 4ドア
1990年型 LX5 2ドア
1993年型 2ドア SXワイド
1993年型 4ドア EXワイド
70系ワゴンが大幅改良を受けたのを機に、「プラド」としての独立路線をスタート。より乗用車ライクなデザインのフロントマスクや、丸みのあるデザインのダッシュボード(後期モデル)など、バンとの差別化を積極的に図ったことで新たなファン層を獲得、ヒットモデルとなった。
1996 LAND CRUISER 90 PRADO SERIES
1996年型 TZディーゼル
1996年型 RZ V6 3400ガソリン
1999年型 RX 3000 インタークーラー付き ディーゼルターボ
1999年型 TZ 3000 インタークーラー付き ディーゼルターボ
爆発的なヒットを記録していた三菱パジェロの対抗馬としてデビュー。パジェロに似たデザインは大きな議論を呼んだ。新世代ディーゼルや独立懸架式フロントサスなど、当時のクロカン4WDとしては先進的な装備も話題に。
2002 LAND CRUISER 120 PRADO SERIES
2002年型 TZ “Gセレクション” V6 3400ガソリン
2002年型 RZ V6 3400ガソリン
欧州をメインターゲットに開発され、北米ではレクサスブランドとして導入されるなど、高級路線に舵を切ったモデル。オンロードの乗り心地や静粛性も重視されている。
2009 LAND CRUISER 150 PRADO SERIES
TZ-G
高級路線をさらに明確化。クラストップレベルの環境性能や、マルチテレインモニターを世界初採用するなど、先進性の高さも特徴のひとつ。
問い合わせ:トヨタフリーコール
TEL:0800-700-7700
HP:toyota.jp
Text:Toshio Suzuki
Photo:Toyota
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