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M/Tタイヤの説得力。
MUD-NESS TIRE Persuasive power of M/T tire
見た目はいつまでも丸くて黒く、一向に進化を遂げない様にも見えるが、実際には3年も経てば中身は別物だったりするタイヤ。しかし、マッドテレーンに関しては見た目も進化を果たしていた。
YOKOHAMA ジオランダーシリーズ
クルマ界隈のトレンドはアメリカ発信であることが多く、古くはクロスカントリー用の4WDシステム自体がそうであるし、SUVやミニバン、大径ホイールもそうだ。ここに取り上げるマッドテレーンタイヤも、アメリカ市場が動向をリードしているといっていい。
その名に反して近年のマッドテレーンタイヤは泥濘地ばかりではなく岩場をメインとしたロッククローリングにも用いられるようになっており、トラクションを稼ぐため空気圧を極端に減らして接触面積を増やす使用法への対応や、鋭く尖った岩でのサイドカット防止を目的としてブロックパターンをサイドウォールまで回り込ませるようになってきている。
特に最近では、ノイズに関して不利な荒いトレッドパターンのマッドテレーンであっても、舗装路でのパターンノイズを減らす方向性も打ち出されてきた。それでも、やはりタフなオフロード・イメージを可視化したアグレッシブなトレッドパターンは必要だ。
ヨコハマのデザイナー、桑原氏は語る。「アイディア・スケッチだけで100本は描きました」。桑原氏が携わったのはジオランダーM/T・G003のトレッドパターン・デザイン、ヨコハマが誇る人気のジオランダー・シリーズはマッドテレーンだけでもM/T+やX-MTと合わせ3モデルをラインナップし、トレンドの最先端を手厚くカバーする。「ぱっと見で格好いいと思わせるつかみは重要なので、サイドデザインに厚みを出せるようになったのは大きいですね」。実際、アメリカでユーザーにリサーチを掛けるとデザインが重要視されているという。
とはいえ、タイヤはデザインが性能に直結する。相反する諸性能を満たすため、その決定には慎重を期さねばならなかった。「デザインだけで2年掛かりました」。最終的には乗ったフィーリングで決定されたとのこと。こうして、アメリカの文化を日本の性能で満たすジオランダーM/T・G003は生まれた。
オフロード・レーシングにも用いられるM/T+に対し、M/T・G003はノイズなど快適性にも気を配った普段使いに向く、マッドテレーンの中でもオールラウンダー的なキャラクターを与えられている。もちろん、本格的なロッククローリングやアグレッシブさ重視のカスタマイズには外径40インチをラインナップするXMTの存在も大きい。
しかしM/T・G003も外径37インチまでカバーし、X‐MTが現在のところ最小でも外径35インチからのハイフローテーションのみのサイズ展開ということを考えれば、XMT目的でショップを訪れたカスタマーも最終的にはM/T・G003を選ぶという現状も理解できる。
キャラクターはオールラウンダー的でも、M/T・G003のトレッドパターンも充分にアグレッシブだ。悩みどころだが、いずれにせよ贅沢な話、マッドテレーンの中だけで、これだけ幅のあるラインナップを誇るメーカーは他にないのだから。
左XーMT、右M/T・G003。どちらもマッドテレーン最新トレンドのサイドウォールまで回り込んだブロック・パターンを採用し、同カテゴリーの中では比較的抑えられたノイズが特徴。ゾクゾクするようなアグレッシブさだ。
XーMTをセットするジープ・ラングラー・アンリミテッド。マッドテレーンというとこのイメージだが、最新モデルは岩場も得意。
トレッドにあるようなブロックをサイドウォールにも配し、岩にサイドウォールを擦り付ける様な状態でもトラクションを確保、同時に薄いサイドウォールをプロテクトする。タイヤが大きくたわむ極低圧時にも有効。
M/T・G003のデザインを担当した桑原陵氏。1974年生まれ。横浜ゴムに入社する以前はカバンやベルト、ハンガーまで手掛けていたという生粋のプロダクト・デザイナー。
M/Tタイヤのサイズの読み方
サスペンションやフェンダーにモディファイを施した車輌向けタイヤには、ストローク量やフェンダーサイズから選びやすいよう通常のサイズ表記ではなく、外径と総幅を表したハイフローテーション・サイズが用いられる。
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Text:Kaoru Honma
Photo:Yasuhiro Yamada
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