経験則によるレース対策とは!?
まずは996に装備されている内容だが、JTモードのエアロパーツはもちろんのこと、オリジナルセッティングの車高調、可変オリジナルマフラー、そしてATフルードの熱対策としてATオイルクーラーが設置された。
実はこの996過去2回、12耐に出走しているがATのトラブルにより完走ができていなかった。今年は先に述べた通り、ATオイルクーラーを取り付け、対策は充分である。ちなみにこのATオイルクーラーはフロントに設置しているが、ミッションは後ろにあるため、オイルラインの取り回しに苦労したという。
そもそもであるが、「なぜわざわざATで走るのか!?」と疑問を持つ読者も多いかと思う。どちらか楽な方を選ぶのであればMTで出走するであろう。
これも代表の本田氏による考えで、あえてATで走ることによって症状の把握とパーツの研究の糧になるとのこと。
“自らが体験しデータをとる” ここまで徹底したポルシェショップもそうそう見当たらない。
そしてクリームの986ボクスターだが、こちらも996同様JTモードのエアロパーツを身に纏い、オリジナルセッティングの車高調にオリジナルマフラーだ。対策パーツとしてはサーキット対応のオイルセパレーター、マニュアル用ミッションオイルクーラーの増設、コーナリング対策にリアにはロアサポートバーを設置、また今年はブレーキダクトも付けてブレーキの信頼性もアップ。
986ボクスターはボクスターカップにも出場しており、なるべくミッションへの負担を減らすということで、ミッションオイルクーラーを増設したようだ。念には念をということで、こういった一つ一つの対策が信頼されるショップの証だと実感した。
レースの行方は!?
1ページ目でも触れたとおり、12時間耐久を走る意義は順位を争う訳でもなく、ましてや優勝を狙う訳でもない。
監督を兼務した本田氏、スタッフを始め、クラブガレージJの全員が本気で楽しみ、無事に完走することだった。そして結果は3台とも無事、耐久レースを乗り切り、見事完走したのだ。
夏とはいえ、辺りもすっかり暗くなりサーキット状には照明が焚かれる頃。
996ブルーは本田氏の目論見通り、ATフルードの熱対策が功を得てフィニッシュ。986ボクスターの2台も最後まで安定した走りを見せ無事フィニッシュ。
レースも終わりピットに戻る頃、周りを見渡せば沢山の参戦車がまるで凱旋パレードのように連なっていた。
勝ち負け関係なく、この過酷なレースを戦い抜いたレースカー、ドライバー、チーム、携わった全てのスタッフに誰もが自然と拍手を送っていたのが印象的だった。
これからのガレージJ 新たなアイテム!?とは
これまで「JT MODE」ブランドとして986ボクスター、996、997、オリジナルマフラーから車高調まで様々なアイテムを手掛けてきたガレージJだが、今秋新たなアイテムがデビューする。
「JT MODE」ファンならずとも、ポルシェ好きなら誰もが気になる鍛造ホイールである。それも日本を代表するホイールメーカー「WORK」との共同開発であり、信頼性はお墨付きだ。
ベースはワークマイスターシリーズと同様の3ピース構造であり、特徴的なのはオフセットが自由設計だということ。例えば「JT MODE」など、ワイドフェンダーにもスペーサーなしのツライチが可能なディープリム仕様もオーダーできる。
デザインに関してはこれまた本田氏のセンスが光る。往年の空冷ポルシェを彷彿させるような、クラシカルなデザインだ。空冷モデルはもちろん、水冷ポルシェにも抜群に似合うだろうことが容易に想像できる。
18インチと19インチのラインナップがあり、主力の18インチは930〜997まで各モデルに対応。(※一部対象外あり)ディスクのカラーリングはシルバー、ゴールド、ブラック、マットカーボン。そしてリムのカラーリングはヘアラインとマットブラックとなる。
鍛造削り出しに加え、デザイン性、そして自由度の高いオフセット、カラーリングの組み合わせなど、ワクワクするようなホイール。発売が今から楽しみである。
※サンプルイメージ画像
このように精力的に開発を続ける「ガレージJ」。そのモチベーションはどのようなものなのか。
代表の本田氏がこんなことを言っていた。
「やっぱり仲間が財産なので、その仲間がいる限り今のスタイルを保ち続け、人生で好きなことをやり続ける」
本田氏の原動力にはこんな人情とポルシェに対する情熱が溢れていた。
アイドラース2017 フォトギャラリー
問い合わせ
ガレージJ
tel:03-3855-1964
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TEXT&PHOTOS:TUNERS