昨今、中古車を購入する上で、実に媒体の範囲が広がった。インターネットの拡大により中古車サイトから好みのクルマを一発検索で探し出せてしまう。
そして外装周りから内装画像、オプション品の画像まで隅々と確認でき、中には実車を見ないまま購入する人もいるほどだ。
ひと昔前は雑誌の時代で、わざわざショップに電話をしてお目当のクルマの詳細を聞き、ちょっと遠方でも欲しいクルマであれば実車を見にいったものである。
しかしネット社会で便利な世の中になったとはいえ、実際購入する際には「どういったお店何だろう?」「どんな人が販売しているのだろう?」となり、やはり最終的には「人」である。
今回カスタムやドレスアップとは少し趣旨が違うが、とある中古車販売店にフォーカスを当てて見たい。
場所は東京都と千葉県市川市の境となる江戸川区の一ノ江付近だ。この周辺一帯は大きな幹線道路も通ってはいるが、一本道を中に入ると住宅街となり、車で走っていると注意をして見ない限りは色んなものが過ぎ去ってゆくような場所である。
そんな立地に「オートクラブオオツカ」という中古車販売店がある。現在は創業26年目に入り、第二展示場も同区の瑞江に昨年オープンしたりと、経営は順調である。国産、輸入車も含めて100万円前後の在庫が並んでいた。
立地条件や規模の大きさ、または他店との競合。世間一般的に見れば難しいと思われるが、ここ「オートクラブオオツカ」ではある理由がある。
代表の大塚氏はもともとトヨタのディーラーに勤めていた。業界のノウハウを受けたのち、「ディーラーには出来ない、もっとより良いサービスが出来るのではないか」と思い立ち、平成3年に独立。
大塚氏が目指したところは、もっと地域に密着した「町の病院」的な存在である。一貫したサービス向上を目指すために、平成9年には自社工場を設立。販売のみならず、鈑金や塗装、修理に注力を注いだ。他社で購入した車でも引き受けてくれるというから何とも心強い。
自社工場によりコスト面においても、経済的な価格が提供出来た。もちろん販売面においても安価な提供を目指す。
人件費が削減する相乗効果も得られるため仕入れ自体、大塚氏が自ら行なう。そして氏が納得のいくクルマを展示するのだ。
そうした形で26年が過ぎた。おそらくシェアを伸ばそうとすれば、いつでも出来るのだろうけど、それは大塚氏の主義に反する。なぜなら最も大事とする「人 対 人」をそこで失ってしまうからだ。
こうして「街のクルマ屋さん」と呼ばれるところを取材してみると、そこには色んなものが垣間見える。普段何気なく通るお店にも色んなストーリーがあるのだ。
この媒体もネットだが(苦笑)、ネットネットという時代にこうした地域密着の販売店に改めて気づかされることもある。
クルマを買う上で欠かせないことを思い出させてくれた。
自分の車はもちろん、家族や友人の車を探している、という方は一度相談してみてはいかがだろう。親しみやすい人柄と笑顔が出迎えてくれる。
問い合わせ
オートクラブオオツカ
TEL:03-5636-9252
http://ac-o.jp/
TEXT&PHOTOS:TUNERS