取材協力=TOYOTA USA
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USトヨタの純正アウトドア仕様 ランドクルーザー ヘリテージエディション
アメリカにおけるトヨタ史の中で最も長くその名をカタログに刻み続けるランドクルーザーにFJ40誕生60周年を記念するトリビュート・モデルが登場。それはまさにメーカー純正のアウトドア・カスタムだった。
いかにもUSトヨタらしいメーカー純正オフローダー
2020 TOYOTA LAND CRUISER Heritage Edition
プライシングスタートが約525万円から始まるランドクルーザー200系は、誰もが認める4WD界の王様だ。その称号は販売されている100カ国での共通認識であり、ここまで車格が高いとユーザーの年齢層や趣向も限られてきて、カスタムに走る方は極めて少ないようだ。
また、相応のセンスが問われるのも事実である。ホイールのチョイスをひとつ間違えるだけで、王者の品格は一気に低下するし、電子制御された高機能4駆システムや走行性はスポイルされてしまう。絶妙なバランスを求めつつ、一般的な200系との差別化を図りたいなら、いっそのことUSトヨタ純正のアウトドア仕様を選択するという手もありだろう。
〝ランドクルーザー・ヘリテージ・エディション〞はFJ40系の発売から60年を記念する限定モデルだ。ランクルはアメリカで最も長きに渡り販売され続けている車種であり、古くからトヨタを愛するユーザーにとってのアイコン的存在。こうしたヒストリーをバックグラウンドにリスペクトを具現化したスペシャルモデルである。
ベースグレードよりも2300ドルも高く設定された内容の違いは、外観に著しく現れている。ボディカラーはご覧のミッドナイト・ブラック・メタリックと、さらに425ドルを追加すればブリザードパール・ホワイトを選択することも可能だ。印象的なマットブロンズの18インチホイールは、BBSによるフォージド(鍛造)の逸品。よく見ればリムの一画にTRDのロゴが刻まれていた(ファンにとっては垂涎のアイテム。市場にはコピー品も出回っている )。ルーフレールにはYAKIMA(ヤキマ)製のラックを標準装備し、Dピラーに取り付けられたエンブレムはFJ40と共通するビンテージ風である。
オフロードユースと軽快性を重視し、インテリアはスポーティな装いとしている。ベースグレードでは標準装備される跳ね上げ式の3列シートは廃され、センターコンソールBOXのクーラー機能は除外された。そのかわり室内はヘッドライナーを含めブラックで統一している。
日本仕様との圧倒的な違いは、5700ccの排気量から381馬力を発生するV8エンジンと8速ATだ。レクサスLX570と共通のパワートレインは成熟したキネティック・ダイナミック・サスペンション・システムとの組み合わせにより、常にパワフルでスムースな走行を提供する。ハードコーナーが続くワインディングでもロックが転がるオフロードでも、滑らかな走破性を体感することが出来た。クールなルックスとゴージャスな乗り味が見事にミックスした、メーカー純正オフローダーとして見事だ。
アウトドアシーンで映える
ワイルド&クールなエクステリア
ヘリテージ・エディションの証はミッドナイト・ブラック・メタリック(またはブリザード・パール)のボディカラーに18インチのBBSホイール、そしてYAKIMA製ルーフラック。
ヨーロッパのライバルを一蹴するパワフルかつスムースな走り
トヨタ独自のKDSS(キネティック・ダイナミック・サスペンション・システム)はハードなコーナリングや悪路で姿勢維持に貢献。381馬力のV8エンジンと8速ATはフィールドを選ぶことなく、大柄なボディをグイグイと前へ押し出す。
ヘリテージならではなスペシャルアイテム多数
Dピラーに刻まれるレトロなエンブレムがFJ40クルーザーへのリスペクトをうかがわせる。跳ね上げ式のサードシートを持たない5人乗り。フロアマットはオールウェザータイプ。
こちらも日本で売ってほしい RAV4のTRD Off-Road
USトヨタでのみ展開される人気グレード、TRD Off-RoadはRAV4にもラインナップ。TRDチューンのサスペンションと専用18インチが与えられ、シートやフロアマットを含めインテリアの各所にはTRDロゴが刻まれる。
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林 剛直=文/写真
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