2000年代に入り、突如として大きなムーブメントを巻き起こしたラグジュアリー・カスタムは、その後すそ野を広げ、さらに新しい価値観を交えながら確実な発展を遂げてきた。けっしてひとときの流行に風化することなく、今ではSEMAショーを代表するカスタムカルチャーのひとつとして、確固たる地位を築いている。
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「神の手」のGクラスフェイス強化術。
God HanD MERCEDES-BENZ G
ベントレー・ベンテイガやマセラティ・レヴァンテ、ランボルギーニ・ウルスなど、いまや「高級SUV マーケット」は世界的なトレンドとなっているようだ。しかし、そのルーツとなるメルセデス・ベンツのGクラスも、依然として人気が高い。
しかし、ライバルたちと差別化を図るため、そして新興勢力に立ち向かうためにも、より力強い個性が求められているのも事実ではないだろうか。だからこそ注目してほしいのがカスタムであり、そのパーツを使った手法なのだ。
1979年にこの世に登場したとき、Gクラスの顔は今と少し違っていた。ブラックアウトされたグリルに優しげな眼つき。ヘッドライトベゼルは下方にいくにつれ大きく絞り込まれ、フェンダーアーチが目立っていた。よくよく見ればベゼルはゴム製でフェンダーも未塗装。さらに前後バンパーは下側のエッジがそぎ落とされ、ズバ抜けたアプローチアングルが確保されているのがわかる。
これこそが現代へと受け継がれるGクラスの源流であり、軍用/警察用を想定し開発された「W460」こと初代ゲレンデヴァーゲンだ。
しかし、時代とともに本来のものとは異なる需要の増加にともない、いつの間にか「高級SUV」路線へとシフト。それが89年にフルタイム4WD化されたW463か、AMGが開発に協力したという限定車が発売された93年か、いや、V8が標準モデルに搭載された98年かもしれないが、いずれにしてもGクラスの存在は、大きく軌道修正され、現在にいたる。
結果として基本デザインに手を加えることなくロングセラーを続けたGクラスは、いまや街中でも頻繁に見かけるモデルとなった。しかし、同時にオーナーにとってはライバルが増え続けることを意味するわけで、個性を求め購入した人にとっては考えるところもあるに違いない。
だからGクラスをとりまくアフターマーケットは活況を呈している。ホイールはもちろん、威圧感のあるボディをさらに厳ついものにするためのエフェクトも数多くラインナップされている。ライバルとは違うスタイルの確立は、もはや必然なのだ。
だからこそ注目したいのがニューカマーだ。もちろん定番も悪くはないが、より個性を打ち出したいなら、この選択は悪くはない。
躍動感あふれるアクティビティをデザインワークの信条とする職人集団God HanD。メルセデス・ベンツを中核に据えたフロントリップスポイラーの開発で定評のあるブランドでもある。このGクラスに採用されたのは彼らの手掛けたアイテムで、フロントのバンパー下部に装着するだけで驚くほどのビジュアルアップが期待できる専用リップ。ノーマルと比べてみればその効果は一目瞭然で、想像以上に大きな効果を得ることができる注目エレメンツである。
高いクオリティと独自のデザインで老舗のエアロメーカーを蹴散らしてきた「神の手」が、いま再び「高級SUV」Gクラスのフェイスを強化する。
現行型の巨大バンパーへのインストールで印象激変!
2012年に行われたマイナーチェンジを受け、フロントバンパーは左右に開口部を大きく取ったタイプに変更。このバンパーの下にセットされているのがGod HanDのリップスポイラーだ。段を付けた躍動感あるデザインが特徴となっている。
パワーアップしたフロントに負けないシンプルなディッシュ・ホイール
フロントリップスポイラー同様、ホイールもニューフェイスを投入。装着されたのは「Fast」の22インチ。シンプルなディッシュタイプのデザインが武骨な「高級SUV」Gクラスを引き立てている。
ベースはメルセデス・ベンツながらエンブレムだけは思い切って……
撮影車両はメルセデス・ベンツのGクラスだが、各部のエンブレムはオーナーの意向によって人気の高いメルセデスAMG「G63」のものへと交換されていた。
Custom Spec.
God HanD フロントリップスポイラー
Fast 22inch
AMG エンブレム
Text|SEMA RULES
Photos|本間章悟