2022 NISSAN Frontier PRO-4FL
逆輸入車の新たなる選択肢。シン・フロンティア。
ついに、というべきだろう。NISSANが15年にわたってモデルチェンジを行なわなかった北米向けピックアップ「フロンティア」がフルモデルチェンジを決行。最新のインテリジェント機能を満載し、セーフティも充実したその内容とは!? 真打ち登場となるか。
ピックアップトラックのオフロードビークルといえば、日本国内ではトヨタ・ハイラックスが復活し、人気を独占していることはご存知だろう。しかしアメリカやオーストラリアでは、ピックアップトラックといえばマーケットの一角を占める巨大な存在。日本にも数多くが逆輸入されているトヨタ・タコマの人気が高いが、ついに日産がその牙城を崩しにかかる。オールNEWフロンティアの登場だ。
本題に入る前に、まずフロンティアというモデルについて触れておこう。日本国内では「ダットラ」の愛称で長らく親しまれていたダットサン・ピックアップが2012年に販売終了となって以降、日産からピックアップトラックは登場してない。その最終型であったD22型に新規に与えられた北米オンリーのネーミングが「フロンティア」である。2005年には日本仕様のD22と異なる新型になったが、グローバルモデルであるナヴァラと共有する部分もあり、完全な北米オンリーのモデルとはいえなかった。そして実に15年ぶりのフルモデルチェンジが敢行され、完全な北米専売モデルとしてヴェールを脱いだのだ。
受け継がれたダットラDNA
鋼管ラダーフレームにフロント左右独立・リアリジッドサスをもつシャシーは従来の伝統を継承。先代フロンティアが2020年モデルから搭載した310馬力の3.8リッターV6エンジンはそのままに、トランスミッションに9速ATを採用というのが目新しいところだ。
注目したいのはセーフティやアメニティの充実度。オフロードファンに注目していただきたいのは、本格的なラフロード走行時に足元や直下をモニターに写し出してくれるインテリジェントアラウンドビュー機能だ。ほかにも360度セーフティシールドと呼ばれるボラインドスポット警告や後方を横切る物体のアラート・歩行者感知機能と連動ブレーキングシステムなど、「先進の日産」に恥じない機能をフル装備する。
インテリアでは8インチディスプレイを標準装備。アップル・カープレイやアンドロイド・オートにももちろん対応。また外気温を感知し事前に室内温度を調整してくれるリモートエンジンスターターも装備するなど充実の内容。
2022 FRONTIER KEY SPEC. | |
キャブ形状 | キングキャブ/クルーキャブ |
駆動形式 | 後輪駆動/パートタイム4WD |
エンジン | 3.8ℓ V6 |
最高出力 | 310hp |
最大トルク | 281lb.ft. |
トランスミッション | 9AT |
ブレーキ | 4輪ディスク |
ホイールベース | 3200(ショート)、3550(ロング)mm |
全長 | 5339(ショート)、5692(ロング)mm |
全幅 | 1854mm |
全高 | 1821~1838mm |
※主要スペックとして発表されたデータ。追加、変更の可能性あり。
NEW FRONTIER PRO-4FL
北米専売モデルとして念願の独立
北米マーケット専用モデルとして独立した新型フロンティア。メキシコでの販売は予定されていないというから完全なアメリカ専売モデルとなろう。下のナヴァラと比較しても異なるモデルになったのは明らかで、先代フロンティアが背負っていた呪縛から解き放たれた、という捉え方もできる。画像は主力モデル候補のPRO-4X。
NEW NAVARA PRO-4FL
グローバルモデル・ナヴァラも健在
ヨーロッパ諸国をはじめアジア各国、中東をマーケットとするグローバルモデル「ナヴァラ」は、フロンティアとは異なり2014年にD23型へと進化。2021年にはフェイスリフトを果たしたほか本格的なオフロードスペックを備えるPRO-4Xグレードもひと足先にデビュー済み。オフロード天国オーストラリアで非常に好評のようだ。
竹下進吾=文
NISSAN MOTOR CORPORATION=写真