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ミニバンとSUVの狭間を行く、ライバル皆無のデリカD:5

MITSUBISHI DELICA D:5 JASPERMITSUBISHI DELICA D:5 人気ベースモデル解説#04

デリカのスタイルはどちらかといえばミニバンに見えるもの。しかし、その最低地上高は実に185mmもあって、この仕様はむしろSUVというか、オフローダーに近いものだ。そこでかつて、開発者にデリカのライバルは何か?と尋ねたことがある。返ってきた答えは「ライバルはいません」だった。それはそうだろう。実際に走ってみてもミニバンのようで、ミニバンでないのだから。

そう言える理由はいくつかあるのだが、まずは地上高が高いがゆえに乗降の際にはそれなりに気を使わなくてはならないこと。ミニバンだったらファミリー志向が強いから、間違ってもそんな作り方はしない。次に4WDしか設定がないこと。これもファミリー志向のミニバンとは違う。そして最後はこの種のスタイルのモデルとしては無類の剛性感が確保されていることで、三菱はパジェロの時代からオフロードを意識して悪路でも通用する強靭な車体の作り方が上手い。これらがデリカを単なるミニバンではない、むしろSUV的な要素を持ったクルマと言える理由である。

D:5はオーバーサイズの2.2ℓ4気筒ターボディーゼルを搭載する。このエンジンは4N14型と呼ばれるものだが、登場したのは2012年。

当時はマツダが静粛性が高く乗用車に搭載しても十分納得のターボディーゼルを開発していたこともあり、その出来はお世辞にも褒められたものではなかった。ところが2019年にフロントマスクをダイナミックシールドと称する結構なドヤ顔スタイルにしたディーゼルオンリーのモデルに変身すると、同時にそのフィーリングも激変した。とにかく145ps、380Nmという数値よりも遥かにパワフルに感じられるし、回転フィールは滑らか、それに静粛性が格段に向上したのだ。新たに設定されたアイシン製の8速ATの効果も走りのスムースさに貢献している。

室内も上質になったし、デュアルピニオンの電動パワーステアリングを採用するなど、メカニズムも上質なものが投入された。もちろん室内は3列でミニバンの使い勝手を持つ。日常でもレジャーでもマルチに活躍してくれるモデルである。

アウトドアレジャーで映える。

アウトドアを意識した特別仕様車のJASPERが登場したのは2020年4月のこと。フィールドでの“映え”を意識したデザインに加え、撥水機能付きシート生地を採用するなど、機能性も向上している。さらにJASPERコンプリートパッケージをディーラーオプションとして設定。マットグレーのエンジンフードエンブレムは別として、レッドのマッドフラップやカーゴフェンス、フロアマットなど、こちらもアウトドアを意識した内容だ。


中村孝仁=文
三菱自動車=写真

アゲ系 SUV&クロスオーバー






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