OUTDOOR LIFE × OFFRORD
2021年、社会現象ともいえるほどの大ブームを巻き起こしているアウトドア。
そしてその波とクロスオーバーするようクルマの世界にもまったく新しいムーブメントが到来。従来のオフロードとはまた異なるソレは、まるでファッションのような感覚で純正モデル+αを楽しむことがコンセプト。
第二次アウトドアブームの背景とその動向
現在、日本はもちろん世界的にブームとなっているアクティビティといえば「アウトドア」。ここ最近、第二次アウトドアブームと謳われているソレは、キレイに、オシャレに、写真映えするようなシチュエーションでアウトドアライフを楽しむというのがひとつの流れ。
そしてこれらは少しリッチなアメニティのもとで行なわれるグランピングや、ひとりでコンパクトにキャンプを楽しむソロキャンプ。さらには女性たちでもラフに楽しめるような=ゆるキャンといったキーワードのもと年々ヒートアップ。この流れはこの先もとどまる気配をみせないと、業界からは嬉しい悲鳴が上がっているようだ。
さて、こうしたブームの背景とルーツにあるのはアパレルを中心としたファッション業界。つまり今までアウトドア=一部のひとたちが本格的に楽しむアクティビティというステレオタイプは、いまやファッション業界によってその根本を大きく覆されている。
例えば現在大手アウトドアモールなどでは、普段着としても使えるアウトドア系ファッションが大人気。つまり、今まで本格的な自然の遊びのギアたちは、よりオシャレに洗練されたイメージとして世の中に広がり、あらゆる人に受け入れられていることがわかる。
そしてこうしたムーブメントと密接な関係にあるのがクルマとオフロードの関係性。そう、それはまるでファッション業界と同じように従来までの本格的なオフロードカスタムはこうした時代の背景を汲みつつ、より現代的な楽しみ方へと舵を切り、ひとつのジャンルとして形成されつつあるということだ。
こうしたアウトドアブーム真っ只中に発行された「アゲ系SUV&クロスオーバー」は、いわゆる現在まで主流であった本格的なオフロードカスタムとはまた別の、より現代的で気軽に楽しめるクルマやカスタムを取り上げることがコンセプト。
つまり先ほども触れたファッションとアウトドアの関係性と同じく、誰もがその雰囲気や見た目を手軽に楽しめる「オフロードカスタム」の提案である。しかしカスタムといっても身構える必要もなければ、プロフェッショナルな知識も不要。
それはやはりファッション感覚で、純正モデルならではの快適性+厳選されたパーツセレクトで完成される新境地、というべきだろうか。各メーカーからリリースされるSUVやワゴン、4×4をベースにいま旬なパーツを散りばめることによって完成されるそのスタイルは、従来までのオフロード、つまり荒々しい路面を駆け抜けていくハードコアなカスタムとはまた異なる、オーナーのライフスタイルやセンスがものをいう世界なのだ。
現代的アウトドアライフのルーツ、オーバーランダー
最近よく耳にする「オーバーランダー」というジャンルは、オーストラリアや北米から派生した全く新しいクルマとアウトドアの楽しみ方、スタイルを指す総称。
その特徴は悪路を走るために機動性を高め、宿泊できるような簡易テントを備えていること。そして、そんなオフロード感たっぷりの見た目がいま「カッコ良い」と話題に。
現代のアウトドアシーンではこのオーバランダーの流れを汲んだカスタムを取り入れることもひとつのトレンドとなっている。
竹下進悟=文