日本国内でのスポコンの火付け役となったのが「映画 ワイルド・スピード」シリーズだ。
その作中で採用されていた自動車たちは、一気にその人気を掻っさらうこととなった。
あなたはどんな自動車でスポコンを楽しんでいたのだろう。
因みに私は「プジョー 106 S16 LTD」でスポコンを楽しんでいた時期があった。
スポコン界を賑わした名車 日産 スカイライン GT-R R34
ワイルド・スピード2でも、主人公であるブライアン・オコナーが乗っていた主要車種「日産 スカイライン GT-R R34」は、スポコン界に震撼を起こした。
シルバーメタリックボディーに車体を縦に走る2本のストライプは衝撃的なセンスだった。
ホイールハウスに仕込まれたナイトロパージは、高らかにその霧を噴射する。
そもそもR34は、R32より続くRBエンジンの最高傑作となったRB26だ。
素晴らしいほどスムーズな回転を実現する作り込み。
バルブサージングすらコントロールするその誠実な職人技は、機械としっかりと対話ができる人間が作り上げたものだと感じられる。
これぞスポーツコンパクト!! ホンダ シビック タイプR
多くのスポコンカスタムが蔓延る中、この1台が唯一無二の本物の「スポーツコンパクト」だと私は感じている。
「ホンダ シビック タイプR」だ。
「自動車メーカーが本気で公道を走ることができるスポーツカーを作った。」
この自動車を知った瞬間に直感したのだ。
1,600cc FFでありながら何者にも劣らない運動性能は、正に羊の皮を被った狼だ。
小気味良く動き回る取り回しの良さ、クイックなハンドリングにも負けない足周り、モタツキを感じさせないトルクフルなパワー感。
前モデルEG6とは比べ用もないほどに完成されたEK9。
これ以上のスポコンは今世紀お目にかかるれることはないだろう。
モアパワーのモンスターマシン マツダ RX-7
ロータリーエンジンの特徴は「簡単」の一言に尽きる。
モアトルク型にするのもモアパワー型にするのも「ペリフェラルポート」の削り具合のみが左右するだけなのだ。
確かにタービンを変えたりマフラーを変えたりすることで特性を変えていくことはできる。
だが、それはあくまでも「ソフト」の部分での話だ。
問題は「ハード」の部分だ。
基本特性がモアパワー型なのに、トルク特性に振りたいとソフトを弄り倒しても中途半端な形にしかならない。
ペリフェラルポートの削り方1つで、ハイパワーモンスターに原付の加速力を与えることさえできるのだ。
だが、ロータリーエンジンをどこまでも回し切ろうとするタービンによる過給は、絶対にモアパワー特性が強いエンジンだ。
アンバランス…だがそれが良い トヨタ スープラ
重い・アンバランス・パワーのみ
ネガティブ要素満載の「トヨタ スープラ」だが、意外にも私はこの自動車を認めている。
前後重量比は微妙だし、3,000ccのエンジンはプロファイリングが高めのセット、ひたすらパワーばかりを欲するおバカなトータル設定。
だが、それが良い!!
いや、それで良いのだ。
直進安定性が抜群で、どこまでも踏み切ることができるイメージを与えられる。
実際は、急ステアを当てることで、どこへ吹き飛ぶかわからないタイトロープの上ような不安に駆られる自動車なのだが、アクセルペダルを踏み込むほどに安心感に包まれる感覚に襲われる。
危険な自動車。
自己陶酔に耽ってしまう自動車。
だが、その危うさに魅力を感じないわけがないのだ。
しかし、決して良い自動車だったとは私は言わない。
同じ「2Jエンジン」を乗せた自動車であれば、間違いなく「クラウン」の方がバランスが良いのだ。
前モデルの「1Jエンジン」の時にも感じていたことだが、1Jも2Jも「ATに対するマッチングの方が抜群に良い」のだ。
決して6速ミッションなどに合わせるエンジンではない。
歴代のスポコン車が作った時代
流れ行く時代の中で、自動車に向き合う若者文化は全ての時間軸で変化している。
自動車離れが騒がれる現代よりほんの少し前には、こんな自動車たちが想い想いのカスタムを施されて小気味良く走り抜けていた。
スポコンカスタムが世界を舞台に走り回っていたあの時代。
自動車に真剣に向き合い、機械の限界値に踏み込んでいたあの誠実さが私は好きだ。
記述に誤りがありましたので下記文章を削除と修正させていただきました。削除
「3ローターパワーマシンのじゃじゃ馬といえば「マツダ RX-7」しかない。
俗に「FD」と呼ばれるのはエンジン型式「FD3S」からきている。
何度も手を入れては壊した覚えがある。」修正
誤「だが、3ローターをどこまでも回し切ろうとするタービンによる過給は、」
↓
正「だが、ロータリーエンジンをどこまでも回し切ろうとするタービンによる過給は、」
ご迷惑をおかけした読者の皆様ならびに関係各位には深くお詫び申し上げます。
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TEXT : NONO