小さくて速いことと日本人が米好きなことをかけて、かつては「ライスロケット」などと呼ばれていたニッポンのチューニングカー。あれから約20年、今では確固たる地位を確立し、その存在感は世界が認めるところだ。ここからはアメリカを相手に勝負を仕掛けた日本のメーカー&日本車をご紹介していこう。
おそらく今もっとも勢いのある、日本のチューニング/カスタムシーンを代表する一台といえるこのクルマも、海外を渡ってSEMAショーの晴れ舞台へと到達した。2015年の東京オートサロンにて総合グランプリを獲得という劇的なデビューを果たしたKUHL RacingのR35GT-Rだ。
そのクルマがアメリカ、それもSEMAの会場を賑わせたのだから、KUHLが常に念じてきた「日本のカスタムのレベルを、クォリティを世界に発信したい」という最大の目標を存分に叶えることができたのではないだろうか。
カスタムポイントは実に多岐に渡るが、まず強烈なアイキャッチとなるのがそのペイントであることは間違いないだろう。3Dメタルペイントと呼ばれる特殊な立体パターンに加え、フリーハンドで描きだすエングレービングによる絵柄をあしらったこのボディペイントは、すべて手作業によるもの。KUHLが全幅の信頼を寄せるカスタムペイントショップARTISによる渾身のフィニッシュだ。
そのペイントが施されるボディ全体も、シートメタルから成形されたカスタムワイドボディとなっている。フロント50、リヤ70㎜というボリュームをもちながら、しかし“ストックのボディラインを大幅にいじらない”ことを前提としており、圧倒的な幅ながら自然なカーブを与えられているのがポイント。前後バンパーやサイドステップはKUHLオリジナル、コンプリート製作する車両にも採用しているキット。今回同時に撮影で来たキャンディーレッドのGT-Rお同様の構成で作られており、ともにA-RREX製のボルトオンストラット式エアサスキットで車高も限界まで落とされている。
ほかにもエンジンやインテリアにはMade in japanのトップブランドパーツを多用、技術力とクォリティを前面に押し出す。果たしてアメリカでもウェブマガジンなどにも多く取り上げられ、間違いなく大きな話題を集めた一台となったのだ。
Custom Spec.
ARTISアルティメイト3Dメタルペイント
フリーハンド・エングレービング
ワンオフカスタムワイドボディ
KUHL Racing ver.1 エアロ8点キット
KUHL Racingトランクスポイラー
KUHL RacingスワンネックGTウイング
フルチタンスラッシュマフラー
BLITZインタークーラー
BLIZブローオフ/アクチュエーター
AIRREXデジタルサスペンションキット
Edirb 032 シリーズバケットシート
WORK SION ワンオフ鍛造ホイール
フロント 21×11.5/ADVAN V103 255/35R21
リヤ 21×12.5/ADVAN V103 295/35R21