カスタムではなく、アップグレード。
愛知県一宮市にあるアメ車専門店LionHeartにはデモカー兼在庫車として2台のコルベットC7がある。うち1台は、ユーザーのクルマを最近買い取ったものだ。装着しているエアロ一式を一見すると、GMジャパン正規オプション「スタイルパッケージ」かと思わせるが、実は、ショップのスタンスを象徴する少々の物語がある。
古賀琢磨氏との信頼関係がこのデモカーを生み出した
Lion Heart
CHEVROLET CORVETTE
古賀琢磨氏の全面協力で完成したこの2台。ライオンハートのコネクションを象徴するデモカーとして、各種イベントに頻出している。
クルマのカスタムは自己表現そのものだ。「せっかく好きなクルマに乗るのだから、自分らしく乗りこなしたい」。カーカスタムが一定の市場規模を持ち続けている根幹には、こうした個々人のニーズがある。
カスタムに際しては、エアロやホイールにどれを選ぶかが大きな分岐点になるだろう。基本的には見た目で選び、人によってはブランドで選ぶ。自己表現を実現するために、ユーザーは何かを選択し、「俺はこれが気に入った」とカスタムカーを通して表現するというわけだ。
写真のコルベットは、愛知県一宮市のライオンハートがカスタムした2台で、赤はユーザーの元愛車を買い 取ったものだが、この「表現」の仕方はもう少し奥が深い。
エアロそのものは、NASCARドライバーであり、自身もアメ車店を経営する古賀琢磨氏が「REVORIX」のブランド名で開発したものだ。2014年のSEMAショーで鮮烈なデビューを飾り、GM JAPANの純正オプションとしても採用されている、言わば、由緒正しいパーツと言えるだろう。
ライオンハートの小山内代表は、同じ愛知県でアメ車業界に携わる者同士として、古賀氏と親密な関係を築いている。そこに、赤いコルベットで自己表現をしたいと考えるユーザーが訪れたため、古賀氏を紹介し、REVORIXカスタムを提案したというのが大まかな背景だ。
ショップのビジネスだけを考えれば、ユーザーにエアロ開発者を紹介する必要はない。しかし、このユーザーは結果的にカスタムされたコルベットに加えて、開発者との直接的な人間関係をも手に入れることができた。どこかで愛車の話をするときに、単にモノを選んで装着したというだけでなく、そこに開発者との共感や、ショップとの信頼関係を語れるようになった。カーカスタムを通じて自己表現の幅が拡がった、とも言えるだろう。
クルマのカスタムは自己表現そのものだ。このカスタムを選んだ理由のなかに、開発者との共感が添えられれば、ただ有り物を選んだだけよりも、少しだけ誇らしい想いがするに違いない。ライオンハートというショップは、クルマをカスタムするだけでなく、ユーザーのカーライフ全体をも見据えているのだ。
アクセント的工夫を凝らしたショップデモカー
赤との違いは、メッシュグリル化とサイドダクト部分のカッティングシート、そしてホイールのセンターキャップ。全体的なカスタム具合から見れば些細な違いだが、実物を見るとさりげないエッセンスとして確かに価値を感じる。
エアロだけでなくAWも同じプロダクトで統一する
両車ともホイールはROUD WHEEL。エアロを手がけた古賀氏がプロデュースするブランドであり、エアロとのマッチングが良好だ。
Custom Spec.
REVORIX スライディング フロントスプリッター
REVORIX サイドスカート
REVORIX トランクスポイラー
REVORIX リアデュフューザー
WHEEL:ROUD WHEEL R-CV7
問い合わせ:Lion Heart
Tel:0586-67-1711
www.lionheart2005.com
Text & Photos
加藤山往
SEMA RULES
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