流線型ボディとパナメリカーナグリルが高揚感をくすぐるデザイン美。
ただそこに佇んでいるだけでも、その風格をまざまざと見せつけてくれるAMG GT。ショートデッキとロングノーズ、ロー&ワイドなそのシルエットはメルセデスの伝統的なスタイルである。
また、15本の垂直クロームルーバーが煌めくフロントグリルは何とも言えぬ色気を醸し出す。
そして、そんな色気をさらに彩るべく、オートサロン2018には一台のAMG GTが展示してあった。マットカラーでフルラッピングされ、「PiECHA エアロダイナミックコンプリート」と呼ばれるAMG GTだ。
出展したのは2014年からオートサロンに出展し続け、今年で6回目となる「EURO」である。
まず「PiECHAボディキット」を紹介する前に、AMG GTオリジナル本来のパフォーマンスについておさらいしてみようと思う。
スポーティデザインに遊び心を感じるインテリア
ホールド感の高いスポーツシートもさることながら、印象的なセンターコンソールが光る。
各種ボタンスイッチがまるでV8エンジンかのように配置されているのを見ると、荒々しく走り抜ける猛獣のようなAMG GTの中に、可愛らしい小動物のような温かみを感じる。
シックなインテリアカラーは大人の雰囲気を、赤をふんだんに取り入れたインテリアカラーはやる気を掻き立てるかのような印象を受ける。
V型8気筒直噴ツインターボエンジンの超絶パフォーマンス
ベースモデルとなるAMG GTは、インテークラインの最適化によりハイレスポンスなターボ機能を遺憾なく発揮することができ、そのパワーは[476PS/6,000rpm]となる。
上位車種となる[GT S]は522PS/6,000〜6,500rpm、[GT C]は更にハイパワーで557PS/5,750〜6,750rpmと、ノーマル状態にしてモンスターマシンといえるほどのポテンシャルを有しているのだ。
エンジンにはアルミをふんだんに使用することで、軽量かつ高耐久の特性を持たせ、シリンダー内部には摩耗低減加工を施し、ナノレベルでのスムーズな摺動を可能にしている。
常に最良の姿勢を作り出すAMGリア・アクスルステアリング
前輪操舵だけでは強大となったパワーを抑え込むことが難しく、確実なトラクションコントロールが保てなくなるのだ。
そこで採用されているのが「AMGリア・アクスルステアリング」である。
AMGリア・アクスルステアリングとは走行時100km/hを境に操舵する方向が変化し、コーナリング性能の最適化を図ってくれるのだ。
また、中低速走行時のパワーロスをなくし、高速走行時の横Gに対してもドライバーの負担を減らしてくれるという優れた機能も備わっている。
モアパワーを追求する上で、その有り余るパワーを確実に路面へと伝達するためには全輪での操舵機能は不可欠である。
レーダーセーフティパッケージで安全面にも配慮
どんなにハイパフォーマンスな自動車であっても、安全性が低くては安心して運転することは出来ない。
「レーダーセーフティパッケージ」はフロントウィンドウに設置されたカメラや、コーナーに設置されているレーダーセンサーによりドライバーや同乗者の安全を常に監視してくれる。
ふとした気の緩みによる事故の発生をサポートしてくれる強い味方なのだ。
PiECHA(ピーシャ)とは
AMG GTのパフォーマンスに少し触れたところで、この項目では「PiECHA(ピーシャ)」について話したい。
PiECHAとは1982年にドイツで創業、ドイツに本社をおく、メルセデスを中心としたチューニングブランド、パーツブランド、である。近年ではジャガーのFタイプも手掛けている。
PiECHAの理念として、大多数のクルマのデザインは現実的な生産ラインや設計ラインにより、妥協が余儀なくされており、本来のデザイン性が失われているとしている。しかしPiECHAではデザイン性はもとより、スポーツ性能まで引き出すべく、車種ごとに設計プログラムが開発されているのだ。
それは唯一無二の特別なクルマであり、洋服でいうテーラードスーツということになる。
PiECHAは知る人ぞ知る世界的なブランドなのだ。
PiECHA が手掛けた AMG GT
そんなドイツ発、こだわりのあるPiECHAデザイン。AMG GTのコンプリートキットにはふんだんにカーボン素材があしらわれた。
【PiECHA エアロダイナミックコンプリート AMG GT】
・カーボンフロントカップウィング
・カーボンフロントウィング
・サイドスカート
・カーボンサイドスカートボード
・リアスカート
・カーボンリアディフューザー
・カーボンエアウィング
・マフラーエンド
フロントだが、ウィングとカップウィングにより、立体的な造形美となり、またオリジナルと比較するとレーシーな印象が増幅され、存在感が強調された。
リアデザインに至っては、アンダー部のボリュームで雰囲気はガラリと変わり、インパクトがあるものの、緻密なデザイン性で視覚効果は抜群だ。マフラーエンドとの一体感もパーフェクトである。
サイドは全体的なバランスのために必須なパーツであり、サイドスカートとスカートボードにより、全体が整った。
また、コンプリートキットは290万円となるが、こちらのパーツは単品でオーダーできるのも特徴で、一部のパーツ購入で雰囲気を試してカスタマイズするのもいいだろう。
様々なラインナップをもつ PiECHA正規代理店の「EURO」
今回のPiECHAもそうだが、この他にも様々なデモカーも手掛ける「EURO」。ボディキットも多数扱い、足回りからアクセサリー類まで、その守備範囲は様々である。
また所在としては江戸川区東葛西に居を構えるが、店舗としてはタイヤのプロ「ミスター・タイヤマン」としても営業している。
出展車のAMG GT にインストールされた「Prodrive GC-0100s」のホイールにブリヂストンタイヤの「POTENZA S001」の組み合わせのように、スピードレンジにも拘りたい輸入車でも安心してタイヤ選びをすることができるという利点がある。
力強い疾走感や大人な雰囲気を醸し出しながら街中を悠然と走り抜ける「PiECHA」が気になる方は、一度問い合わせてみてはいかがだろう。
問い合わせ
EURO ( 有限会社ユーロ)
TEL : 03-5674-7742
http://www.piecha.jp
http://www.euro.ne.jp
TEXT & PHOTOS : TUNERS