東京23区を取り囲む環状8号線、通称環八(カンパチ)沿いには、輸入車を扱うショップが多く存在する。
特に世田谷区を中心とする田園調布近辺には、フェラーリやベントレー、ロールスロイスなどの超高級車が並び、シックな趣のショールームを持ったショップが多いのが特徴だ。
そんな環八沿いを等々力から蒲田方面に走っていると、他の高級輸入車ショップとは少々違った雰囲気で、白い外観が特徴的な店舗が目に入ってくる。
そこが今回取り上げる輸入車販売店「ヒルズオート」である。
この記事では、ヒルズオートの特徴やコンセプトなどを、社長の貴重なお話を踏まえ紹介していこうと思う。
スーパースポーツから超希少車まで
同店を訪れ、筆者の目にまず飛び込んできたのは、63年式のロールスロイスと、その隣に置かれた最新型のベントレーやフェラーリという風景だった。
そして、ショウルームの中には、ランボルギーニのウラカンやフェラーリのFF、カリフォルニアT、328GTSなどのスーパースポーツが並び、さらに奥、沿道から一番目立つところに置かれていたのは、知る人ぞ知る幻の名車「アストンマーチンDB4」である。
車に詳しくない人でも、最新のフェラーリやランボルギーニがいわゆる「すごい車」だということはわかるだろうが、ショールームの顔とも言える場所にDB4をもってくるあたり、ただ高級外車を売っているだけのショップではないことを感じさせる。
販売だけではなくフルレストア、カスタマイズもおまかせ
ヒルズオートでの販売は、低走行な良質な中古車販売を中心に、新車はもちろん、ユーザーの要望によるバックオーダーにも対応してくれる。
また、いわゆるビンテージカーと言われる80年代以前の車両の場合、内外装のフルレストアはもちろん、エンジンの乗せ換えなどのカスタムまで対応し、さらには、もともとエアコンやパワステが装着されていないことの多い年式でも、オーナーの要望さえあればそれらの装着にも対応してもらえる。
ビンテージカーを扱いやすく
ビンテージカーの愛好家の中には、すべてがオリジナルという販売当時の状態を維持することを望むユーザーが多くいる。
クラシックカーは、エアコンやパワステが無いのは当たり前、エンジンをかけること一つとっても、ちょっとした儀式めいた操作をしなければ満足にエンジンがかけられないのも当たりまえ。
その扱いづらさも魅力の一つであるという考え方も大いに理解できるが、一方で、本当に魅力的な車、かっこいい車でも普通の人が扱えないようでは、購入するユーザーは減ってしまう。
つまり、その人が望む車、その人に合った車を、その人に合わせた最良な形で提供することこそ、ただの道具ではなく、「夢」という車が持つ本来の魅力を伝えることになるのであると強く感じた。
たぐいまれな経験と提案力
ヒルズオート代表の永井氏は、ユーザーが何を求めているのか、「○○○が欲しい」と言っているが、本当にその車で良いのかということをユーザーととことん話し合い、その人の価値観や趣向、ライフスタイルなどをくみ取り、その人にとって本当にピタリな車を提案しているという。
高級な車を欲しいと言われるがままただ販売するのではなく、たとえ利益が薄くなってしまおうとも、その人に最適な車を提案しているということである。
提供しているのは本当の楽しみと夢
そして、代表の永井氏はこうも語ってくれた。
「いつか珍しい車、かっこいい車だけを集めた博物館を作り、多くの子供たちに夢を与えたい。そして、現役を引退したスポーツ選手の再就職、障害者の雇用の場として提供できるようにもしたい。そうなるまではまだまだ走り続けますよ。」
いまでも、田園調布のショールームはガラス張りになっており、歩道からはランボルギーニウラカンやアストンマーチンDB4などを見ることができるが、子供たちだけでなく、多くの人にかっこいい車を見てもらいたいという思いは、ショールームの造りにも表れている。
黒やダークブラウンを基調としたラグジュアリーな店舗ではなく、木の温もりが感じられ、白を基調にした明るく大人の遊び場をコンセプトにしたショールームは、肩肘張らず気軽に訪れることができるだろう。
また、そんなワクワクする車ばかりが置かれているヒルズオートの中で、特に注目した2台「マスタング」と「フェラーリディーノ」については別記事で詳しく紹介しようと思うが、現在車を中心としたテレビ番組制作の話が進行中であることも明かしてくれたため、その情報についても機会があれば紹介していきたいと思う。
HILLS AUTO(ヒルズオート)
【田園調布ショールーム】
〒158-0085 東京都世田谷区玉川田園調布2-1-1
TEL:03-3722-1101 FAX:03-3722-3322
【公式WEBサイト】
TEXT:Shingo.M
PHOTOS:TUNERS