気品溢れるアスリート【MANSORY BENTLEY Bentayga】
輸入車のアフターパーツブランドを多く扱うラガーコーポレーションが、東京オートサロン2017に持込んだ注目の車両は、2016年6月にに公開され、秋から納車が開始されたばかりの、 BENTLEY Bentayga(ベントレーベンテイガ)である。
歴史あるスポーツカーメーカーであり、永くロールスロイスの姉妹ブランドとして、世界屈指のラグジュアリーメーカーでもあったベントレーが初めて手掛けたSUVベンテイガに、いったいどう変化をもたらせているのか。その威風堂々たる存在感と合わせて、多くの関心が寄せられていた。
世界最速のSUV
ベントレーベンテイガは知る人ぞ知る世界最速、最高級SUVと言っても過言ではないであろう。搭載されるエンジンは6.0L W12ツインターボで、最高出力447kW(608ps)、最大トルク900Nm(91.8kgm)を発生、全長5,150mm車重2.5tもの巨体を持ちながらも、0-100km/h加速は4.1秒、最高速301km/hという、スーパースポーツと比べても遜色のない俊足ぶりを魅せる。
驚くのは動力性能だけではない、最高級レザーを使い職人のハンドクラフトによって作られたシートやなどの質感も高く、レザーだけで15種類、フロアのカーペットも15種類、ウッドパネルは7種類というバリエーションを用意されているほか、ボディーカラーも標準で17色と十分に多いが、さらにオプションを含めると108色もあるという。まさに、そのオーナーのためだけに仕立てらたベンテイガを手にすることができるのである。
ホンモノにはホンモノを
そんな超高級SUVであるベンテイガに装着されたボディキットも、生半可な仕上がりでは良いはずは無く、ベンテイガがもともと持つ質感や、高級感などに相応しい、言わば”ホンモノ”でなければならないのである。
この展示車両に装着されているMANSORYボディキットに使われている素材は、全てカーボンが使用されており、ご存知のとおり、一般的なFRPに比べ軽く強度のあるカーボンは、レーシングカーや高性能スポーツカーのボディなど、性能を追求する必要がある場面で使用されているが、その反面、価格は高騰してしまう。
しかし、先述したように、ベントレーベンテイガにはホンモノのパーツ、ホンモノの素材を使用しなければ、ここまでのマッチングは不可能であり、全てカーボンを使用することは必然なのである。
つづいてデザインを見ていくと、感心するのは純正フォルムとの馴染み具合である。一見するとアンダースポイラーを追加しただけのように見えるかもしれないが、フロントバンパーはもちろん、ヘッドライトを取り囲むように一体構造で成形されたフロントフェンダーまでもが交換されているのである。
そして、オーバーフェンダーのワイド感と調和するサイドパネルや、リヤバンパーは、深めに入れられたスリットがスポーティー感をプラス。さらに大胆にエアアウトレットが追加されたボンネット、左右のフェンダー後方には、ベントレーのアイコンとも言える、アルファベットの「B」をモチーフにしたエンブレム兼エアアウトレットから伸びる鋭いラインなどが、ハイウェイでスポーツカーを軽々と置き去りにするベンテイガの姿を想像させる。
ベンテイガには、純正でも22インチと十分大口径のホイールが装着されているが、低扁平タイヤ特有の腰高感が出てしまっている。そこで専用ロワリングキットを組み、さらにインチアップした23インチでも腰高感が無く、ボディキットとの相乗効果を得て、ロー&ワイドな安定感と、全体をまとめ上げることに成功している。
英国紳士であることを忘れない
ここまで、ベンテイガが持つスポーツ性能を強調するデザインについて触れてきたが、ベントレーである以上、最高級サル―ンである側面を忘れてはならない。ベンテイガのデザインは純正の状態で十分ラグジュアリーな雰囲気は持っているが、この車両では何度も触れているように、よりスポーティーな演出がされている。
そのため、純正のままであれば高級感をプラスするメッキなどの装飾が、逆にチープに見えてしまう。
そこで、フロントバンパーやグリル内はグロスブラックでペイントし、その他のメッキ部分は、プラッティングシルバーという特殊な銀色に統一され、ラグジュアリーとスポーティーをうまく融合、両立させている。
問い合わせ:ラガーコーポレーション
TEL:048-827-2222
http://www.lager.co.jp
Text |Shingo.M
Photos|TUNERS