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フェラーリディーノ308GT4 知る人ぞ知るスモールフェラーリ【ヒルズオート】

フェラーリディーノ308GT4

フェラーリディーノ308GT4

フェラーリと聞くと、数百馬力を超える超高性能エンジンと、だれが見てもフェラーリとわかる丸みを帯びたボリューミーなボディを想像することだろう。

しかし、大人の遊び場をコンセプトにするヒルズオートには、そんなフェラーリの王道から少し外れた珍しいフェラーリがある。

この記事では、日本ではなかなかお目にかかることのできない希少な「フェラーリディーノ308GT4」についてご紹介していこう。

フェラーリディーノ308GT4とは?

フェラーリディーノ308GT4

「フェラーリディーノ」と聞いてピンとくる皆さんは、いわゆる車好き。308GT4と聞いてさらにこのスタイルが思いついた人は、かなりのフェラーリマニアかもしれない。

日本でディーノと言えば、丸みを帯びた流麗なシルエットに丸目のヘッドライトが特徴の246GTの方が有名と言える。

どちらのディーノも、「スモールフェラーリ」とも呼ばれているが、当時のフェラーリにとっては革新的なモデルであり、今日のフェラーリブランドにつながる重要な存在であることは間違いない。

このフェラーリディーノ308GT4には、フェラーリにとって2つの初めてを実現した車両で、1つはミッドシップエンジンでは初めての2+2であること、2つ目はV8エンジンを積んだ初めての生産モデルであることだ。

フェラーリディーノ308GT4

そして、本来「ディーノ」と名の付くモデルは、正式なフェラーリとしてではなく、独立したモデルとして存在していた。

しかし、はじめはフェラーリブランドを有さないためか、アメリカでの販売台数が伸び悩み、その状況を打破する目的で、モデル中期にあたる1975年、急遽ボンネットにフェラーリのエンブレムが取り付けられるようになる。

少々アクシデントとも取れるそんなエピソードではあるが、そういった経緯があってこそ「フェラーリ」「ディーノ」というダブルネームでの呼称が浸透したのである。

「スモール」でもやはりフェラーリ

今回取り上げている車両は、1980年製であるため、当然ボンネットにはフェラーリの跳ね馬エンブレムが、トランクリッドには「Dino 308 GT4」のエンブレムが付いている。

自動車業界に長く身を置いてきた筆者だが、正直、308GT4の実物を見たのは初めてである。

いや、もしかすると、視界に入っていても、大きさや雰囲気、そして車が醸し出す存在感が、いわゆるフェラーリの“ソレ”ではないため、気が付かなかったのかもしれない。

だが、初めて目の前で見る308GT4は、紛れもなくフェラーリであることを実感した。

まず、ミッドに収められた3.0リッターV8エンジンだが、それまで12気筒でなければフェラーリと認められず、一部の熱狂的なフェラーリ支持者から酷評されることがあったと言う。

だが実際のエンジン音は、引き締まった歯切れのよいビートを響かせ、最近のある意味優等生なV8とは違う、メカニカルでありながらも生命観に溢れ、スポーツカーメーカーが作ったエンジンであることを感じることができる。

また、スモールフェラーリとはいえ、255HPの最高出力(初期型の欧州仕様)と250km/hもの最高速を誇り、当時としては十分スーパーカーと言える性能を有していたことを考えれば、1990年代半ばに登場し、日本でも大人気となったF355やF360と言ったV8エンジンを積んだフェラーリに通ずる部分も大いにあると言えよう。

ただのレストアでは済まさない

今回取り上げた車両は、見るからにコンディションの良いオリジナル(純正状態)かのような印象を受けてしまうが、実はヒルズオートの手により、さまざまなレストアやカスタムが施された個体である。

お恥ずかしい話、スタッフに言われるまで気が付かなかったことなのだが、鮮やかな紫がかった深いブルーは、純正には存在しないボディーカラーなのだという。

確かに年式を考えればきれいすぎる塗装状態だが、ここまで丁寧なレストアは流石としか言いようがない。

また、内装も当然手直しが施してあり、近未来的でありながら、機能的な美しさを持つメーター回りや、これぞフェラーリという開放型のシフトゲートは見ているだけでワクワクさせられる。

そして最も感心させられたポイントは、アルカンターラのコンビで張り替えられたシートとドアの内張。

これも冷静に考えれば1980年当時にはなかった素材なのだが、もの凄く自然に、且つオリジナルのボディーカラーと相まって、絶妙なコーディネートなのである。

ちなみに、トランクルームがベージュ基調になっているが、ここはあえて純正の状態をキープしており、この車両がもともと赤であったことがうかがえるポイント。

また、大切に保管された当時の取扱説明書や点検記録簿、フェラーリの跳ね馬がデザインされたケースなども、大いに心がくすぐられるのは言うまでもない。

フェラーリディーノ308GT4は、決して飛びぬけて早いわけではないが、おしゃれなイタリア車の雰囲気と、スーパーカーフェラーリの魅力を併せ持った1台である。


HILLS AUTO(ヒルズオート)
【田園調布ショールーム】
〒158-0085 東京都世田谷区玉川田園調布2-1-1
TEL:03-3722-1101
FAX:03-3722-3322
HP:https://www.hills-auto.jp/


TEXT:Shingo.M

PHOTOS:TUNERS



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